DJM-700のフェーダー交換はしんどい

フラリとお客として遊びに行ったイベントで、使われていたミキサーDJM-700-Kの縦フェーダーが2つもげると言う、なんとも言い難い事に遭遇しました。イベント終了後にその場にいた全員で「これは直るのか」と言う事を調べた中で、縦フェーダーに関するメモです。

注意:DJ機器に関わらず、あらゆる製品の分解・修理は非推奨であり、自己責任を伴います。ここで書いたことを実践し、失敗またはトラブルが発生したとしても、当方は一切の責任を負いません。がんばれ。

DJM-700-Kは、DJM-800の下位互換に当たる機種。当初アナログミキサーと思っていたのですが、どうやらMIDI-outが付いているのでデジタルミキサーです。800との大きな差は”Instant Color”とかなんとか、Ch毎で即座に使えるFX機能が付いていないだけ。地味だけど標準以上の機能は付いている、かなりバランスの良いDJ用4chミキサーです。

基本的な仕組みはDJM-500から踏襲されているので、縦フェーダーのパネルを開けます。開けるには縦フェーダーのツマミを取るところから始まるのですが、これが何故か取れない。様々なブログを見る限りでは「引っこ抜ける」みたいな一行で完結しており、気分は3分クッキングで「こちらが予め作った特製ソースです」みたいなのを出された気分。

では、ミキサーの縦フェーダーは交換ができないのか?いいえ、出来ます。
正解は、ツマミ自体を分解する必要があったのです。

まずツマミのペイントだと思っていたコレ、取れます。

fader_01

取ったあと、中に灰色の固定具があり、フェーダー金具をガッチリホールドしています。道理で取れないわけだ。

ペイント部分を取り外すと中に見える固定具の爪、これを押して外し、外装のツマミを外します。固定具はフェーダー金具についたままとなるので、そのまま引き抜いちゃってOKです。意外としっかり固定されているので、取り外す際にうっかり爪を折らないように注意。

分解した結果を並べてみると以下4つの部品で成り立っていました。
※写真左端に映っているのが元々の形(もう一つモゲた方)

たった一つのツマミにこんなにも職人の力作が……と感動するところですが、ツマミがこんなガッチリホールドされていたらフェーダーを動かした時の荷重が全て根元に集中するので、そりゃ根元からボッキリと逝くよなぁと思いました。

交換作業については、204さんの記事を参考にさせていただきました。
DJ 204 OFFICIAL BLOG – [雑]DJM-700 縦フェーダー交換

この後、念願叶ってミキサーの中を御開帳できましたが、根元の固定金具が折れていることが分かりその場での修理不可→交換が必要という結論に至りました。残念。しかも追い打ちを掛けるかのように、DJM-700の縦フェーダー(インプットフェーダー)交換部品はは全然ヒットしません。(DJM-700のクロスフェーダーはある)
どうにか引っかかったとしても、新品なのか中古品なのかすら分からず、どこから取ってきたよそれ的なパーツ専門店から「5800+送料で送ってやんよ!到着には半月かかるけどな!」な奴ばかりです。困った。

また、DJM-700はチャンネルごとにフェーダーの型番が異なります。
今回故障したのはCH2とCH3なので、交換部品の型番は以下の通りでした。

  • CH2専用: DWX2682
  • CH3専用: DWX2683

更に言えばDJM-800でも同じ感じ仕様なので「CH3が故障したらCH3専用フェーダーを購入する」ってことになります。めんどくさいね。とは言え、汎用で使えるかどうかまでは未検証&資料無しなので、ここは詳細不明です。

なお、マニュアルによると、Pioneerでは補修部品を製品発売から8年は保管しているそうで。DJM-700が出たのは2007年、今2016年12月。期間で見ればアウトだけど、サポートセンターに聞く他無さそう。


学んだこと

  • 縦フェーダーの名前は「インプットフェーダー」
  • インプットフェーダーのツマミはガッチリ固定されている
  • でも根元が弱いままなので、根本からポッキリ逝く
  • DJMシリーズのインプットフェーダーはCH毎に別製品となっている
  • 公式サポートでは補修用として8年保管されているらしい

以上